私のココロと貴方のココロ -相葉雅紀-





真夏の真っ青な空を見ていると、思い出す顔がある。

無邪気な笑顔の、大好きな人の顔。

大好きな人ではあるけれど、遠く離れてしまった友達。
私たちの関係はただそれだけだったけれど、ずっと忘れられずにいる人。
だって彼は、TVを付ければ不意にそこに現れる芸能人で、忘れる事すら出来なかった人。



「元気かなぁ、雅紀くん」



真夏の真っ青な空は、彼の笑顔のように、私に元気をくれるどこまでも澄んだモノ。



☆ ★ ☆ ★ ☆



「うわ、暑っ」



建物から一歩外に出れば、容赦なく照り付ける太陽。
中は冷房効いてたから、外に出ると大ダメージ。
でも夏はこうでなくっちゃ、とも思う。
思うけど、俺は夏よりも秋の方が好きなんだよね。



「いっつも静かだけど、笑うととってもあったかいあの子、どうしてるかな」



もう随分長いこと会ってない彼女は、俺がずっと密かに好きだった子。
今でも、よく彼女の笑顔を思い出すんだ。
秋のように、静かで優しい彼女の笑顔は、俺にいつも元気をくれる。
頑張ろうって、前に進む力をくれるんだ。



☆ ★ ☆ ★ ☆



休みを利用して一人で出てきた渋谷。
相変わらず人が多くて、少し歩いただけでうんざりする。



「どっか、人の少ないお店ないかな。。。」



そう思って、脇道に逸れてみる。
別にお洒落なカフェでなくても、居心地の良いお店なら文句はない。
少し歩くと目に入った小さなカフェ。
周りにはほとんどお店もないせいか、人通りもほとんどないし、のんびり出来そうだとドアを開けて入った。

――カランカラン――

心地よく響くドアベルが、何だか嬉しい。



「いらっしゃいませ」



優しそうな店員さんの声に迎えられて席まで案内される。
そんなに大きくも狭くもない店内で、少し離れた席に何人かの客がいるばかり。



「アイスオレンジティーとザッハトルテのケーキセットで」



そう注文して、何気なく視線を店内に巡らした。



「あ‥‥雅紀、くん?」



私の思わず漏らした声は店内に響き、少し離れた席にいた客の一人がこっちを向いた。



「あ‥‥」



向こうも思わず声を漏らした。
それにつられたかのように、周りにいた人達もこっちを向いた。



「『嵐』だ‥‥」



いつもTVで見てる人達が、そこにいる。
ということは、彼は間違いなく、私の知る雅紀くんだ。



「久しぶり!」



ガタッと席を立った彼は、足早に近付いて来て、あの笑顔を浮かべて言った。



「久しぶり」



自然と浮かぶ自分の笑みに、彼はとても懐かしそうな顔をした。
私のこと、覚えててくれたんだね。

遠く離れたのは現実的な距離。
けれど、ココロの距離は、思ったより離れてはいないのかも知れない。





。★━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…☆°

WEB拍手2作目がこの相葉雅紀くんの小説です。
自分としては、こんな感じの小説が一番好きで、すんなりと書き上がりました。



2005-08-15UP